開業を成功させるなら知っておきたい! 税理士マーケティングの基本

マーケティング

税理士のメインのお客様である中小企業が減る一方、競争は激化するばかり。顧問契約解除や顧問料単価の減少に頭を抱える税理士・会計事務所も多くあります。独立開業を成功させるには「戦略」が不可欠。戦略を立てるために、マーケティングの基礎を身に着けましょう!

目次

 1.税理士の4P分析
 2.Product:製品ー先生ご自身の「強み」・他事務所との「違い」
 3.Price:価格ー適正価格を検討する
 4.Place:流通-事務所の立地を選ぶ
 5.Promotion:プロモーション-どうやって顧客に知ってもらうか
 6.ネット普及時代の購買行動プロセス「AISAS(アイサス)」
 7.税理士に「AISAS(アイサス)」を当てはめると・・・
 税理士マーケティング基本まとめ

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1.税理士の4P分析

4Pはマーケティング戦略の具体的な施策を考えるときによく使われる分析手法です。4つの視点からターゲット市場を分析し、課題や強みを発見することができます。

4Pは「Product:製品」「Price:価格」「Place:流通」「Promotion:プロモーション」の頭文字、「P」を取ったものです。

それではさっそく、税理士に当てはめて解説していきます。

2.Product:製品ー先生ご自身の「強み」・他事務所との「違い」

プロダクトは、税理士の場合、先生ご自身です。

まずはきちんと先生ご自身がどのようなサービスを提供するのかを明確にしておきましょう。

「どんな業務でもできます」ではなく、どれか一つ得意分野を絞り込んで、独自の「強み」や他事務所との「違い」を打ち出すのがポイントです。

ご自身の得意分野を決めかねる場合は、消費者目線に立って、「今、どんな業務・サービスが求められているのか」を考えてみると良いでしょう。お客様のニーズに合ったサービスを提供できるのがベストです。

3.Price:価格ー適正価格を検討する

プライスは、そのまま価格です。お客様に選んでもらわなければいけないので、当然競合の税理士・会計事務所の相場の調査はした方が良いでしょう。

ただ、競合よりも低価格に設定する必要はありません。サービス内容から適正と考えられる価格を設定しましょう。競合事務所よりも付加価値のあるサービスを提供できているのであれば、高価格であっても問題ありません。

低価格競争に陥ってしまうと、税理士として長く存続していくことが難しくなります。業務内容を調整することで、売上を上積みできるような工夫が大切です。

4.Place:流通-事務所の立地を選ぶ

税理士にとって開業する立地も非常に重要です。税理士に仕事を依頼しようと考える人が、はるばる遠路からやってくることはあまりありません。事務所を構えた場所に、お客様がいることが重要です。

ご自身がメインとして打ち出していく業務と、立地条件が適っているかどうかは、きちんと考えて事務所の立地を選びましょう。

たとえば、「オフィス街か、住宅街か」、「都心部か郊外か」、「地域に多い業種や企業規模」、「住民の家族構成」、「人口」、「交通の便」など様々にリサーチしましょう。

開業にかかる出費もあるので、顧客が多い都心部に最初から事務所を構えるのは難しいかも知れません。しかし、都心部は競合も多いので、必ずしも良いとも限りません。郊外でも、交通の便が良ければ、顧客を獲得しやすいこともあるでしょう。

事務所の立地は、今後の顧客獲得に大きく関わってくるので、非常に重要なポイントです。

5.Promotion:プロモーション-どうやって顧客に知ってもらうか

プロモーションでは、いよいよ顧客に「製品・サービス」を知ってもらう段階になります。先生という「製品」の内容が固まっても、顧客に知ってもらわないことには、何も始まりません。

どうやって顧客に知ってもらうかを考えるときには、消費行動のプロセスをパターン化したマーケティングの考え方が使えます。「AIDMA(アイドマ)」や「AISAS(アイサス)」などどこかで耳にしたことはないでしょうか?

消費行動のプロセスは、さまざまなものが提唱されていますが、ここでは「AISAS」をとりあげてご紹介しましょう。

6.ネット普及時代の購買行動プロセス「AISAS(アイサス)」

AISAS(アイサス)の法則は、とくにインターネットが普及してから広まった考え方です。

頭文字それぞれ、以下のような意味になります。

Attention(認知・注意) Interest(興味・関心) Search(検索) Action(行動) Shere(共有)

ご自身が何か買い物をするときに当てはめて、ちょっと考えてみてください。そうすると分かりやすいかと思います。

7.税理士に「AISAS(アイサス)」を当てはめると・・・

税理士先生に仕事を依頼するときに当てはめて考えてみましょう。

まず消費者は、ネット・新聞・DMなどの広告から先生の存在を「認知」します。

先生を自分の悩みを解決してくれそうな人だと「興味・関心」を持ち、先生・事務所に関する情報を、インターネットで調べるために「検索」をします。

情報に納得したら、先生の事務所に訪れ、正式に仕事を依頼するという「行動」を起こし、先生に依頼した感想などをソーシャルメディア上で「共有」。

こうした流れを辿ります。インターネット普及後の購買行動の特色は、「検索」と「共有」です。

インターネットやスマートフォンの普及で、今や「分からないことや知らないことは、検索して調べる」が当たり前になっています。また感想を「共有」するのもごく自然の行動として多くの人が行っています。

つまり、ホームページとソーシャルメディアは、新規顧客を獲得するためになくてはならないツールと言って良いでしょう。ホームページやソーシャルメディアの運用は、新規顧客獲得のために避けては通れない道。

でも上手く使いこなせれば、先生や事務所の魅力を十分に伝えることができ、顧客獲得に一歩リードできます。今後わくタクでも活用法をさまざまにご紹介していくので、ぜひ参考にしてご活用くださいね。

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税理士マーケティング基本まとめ

・ターゲット市場の分析、課題や強みの発見に使えるマーケティング手法「4P」
・4P=Product、Price、Place、Promotion
・税理士にとって製品は、先生自身
・低価格競争はNG
・新規顧客獲得に、事務所の立地は大きく関わる
・購買行動「AISAS」は、ネットが普及して広まった
・ネットで「検索」、SNSで「共有」が一般化
・ホームページとSNSの活用が重要

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